スポーツスターという名のモデム

(バイクじゃない話)

 もはやクラシックPC話にカテゴライズされてしまいますが、オートバイ以外でスポーツスターといえば 米 U.S.Robotics 社の高速ダイアルアップモデムであり、舶来高級モデムの代名詞とされていました。汎用モデムチップ等を使用せず、当時ではまだ珍しいフルDSP処理による変調を実現。上位機種には Courier(クーリエ)があり、Sportster(通称スポスタ)はその廉価版です。1993〜1994年頃のことです。

 当時のアナログモデムによる接続は不安定で、回線状況や接続相手のモデム機種とそのセッティングなどによって、通信速度や安定度が大きく影響されてしまうものでした。そんななかで、Courier, Sportster は柔軟なDSP処理のおかげで接続相手を選ばない優れた接続性、きめ細かな設定、エラー訂正等の細かい情報表示機能(セッティング出しに便利)、広く開示された技術情報などから大ヒットしたモデルです。

 2008年現在、国内一般回線でアナログモデムによるダイアルアップ接続をしている人はもうほとんどいないかと思いますが、実はこの写真のモデムは、去年まで我が家で FAX として活躍していました。去年末あたりにFAX受信のエラーが多発するようになり、引退となりました。このモデムは当初、BBSホストマシン(サーバ)用として導入されたため、実に14年間ほとんど電源オフになることなく働き続けていたことになります。

 こんなに黄ばんでしまいましたが、元は白だったはずです。ちなみに現在我が家では、このスポスタのあとをマイクロコアMC288XLが引き継いでFAXを受信していますよ。俺、物持ちいいよなあ。

 そしてこの U.S.Robotics Sportster の天寿を全うさせたあとすぐに、Harley-Davidson Sportster に乗ることになるとは、運命とはふしぎなものです。